データ市場 代替データ・オルタナティブデータ

オルタナティブデータシリーズ1:JetTrack

Lars_Nissen_PhotoartによるPixabayからの画像

オルタナティブデータについて過去の記事でも取り上げましたが、とにかくデータの種類や会社が多いんですね。なので、今回からオルタナティブデータの会社を1つずつご紹介していこうと思います。

  • JetTrackとは?
  • 飛行機のデータって?
  • 使用方法

JetTrackとは?

JetTrackと言う名前からわかる通り、飛行機のデータを提供されてます。この会社はParagon Intelと言う会社の子会社で2017年に創設され、2−10人で構成されている比較的小規模の会社(恐らくベンチャー)です。本社はニューヨークにあります。

親会社のParagon Intelと言う会社も2017年に創設されており、JetTrackはその会社の一つの商品です。このParagon Intelと言う会社は人工知能を使い大量の情報からデータを抽出し、まとめ上げやルールに基づいてフィルターしているようです。主な顧客は資金豊富なバイサイド(投信投資顧問、信託銀行やヘッジファンドなど)になるとおもいます。

飛行機のデータって?

彼らが使っている飛行機のデータと言うのは、飛行機(プライベートジェットなど)の公開情報(航路、スケジュール、保有者情報)のようです(詳しい情報は見つかりませんでした。)現時点で考えられる情報元と言うのは(有料、無料ミックス):

アメリカ国内データ

日本国内データ

といったところでしょうか。そして、調べたところBloombergやFactSetなどのデータ提供会社にデータを提供しているようです。

データの内容

  • ラッセル3000指数の企業をカバー(アメリカにある時価総額上位3000社)
  • 過去10年分のデータ(MAに関連していた企業全てと、本社の位置)
  • データ構造についてはこちらをご覧ください

使用方法

じゃあ、このデータどうやって使うのよ?と思う方も多いかもしれないです。簡単な例から実際の使用方法までご紹介します。

データ使用の目的

  • M&A(企業買収、合併)の情報を予想する
    • 株の買い・売りのタイミングを先出しする
    • 損失の回避など

バイサイド相手のデータになるので、金融取引で利益を出すため補助データのような役割になっていると思います。(要するにこのデータ使うことで儲かんの?ってことです。)

企業買収や合併のニュースは大きく取り上げられることもあり、株価に大きな影響があるため先に知れれば大きなリターンがあるわけですね。いい例だと、最近はZOZOとYahoo Japanの件がありました。TOBが発表されてからZOZOの株価が2,150円ほどから、2,600円近くまで上昇しました。こんな感じです。

全体的なアイデア

当然、JetTrackのデータの計算やアルゴリズムは会社の機密事項になっているでしょうから、公開はされていません。ただアイデアとしては:

  • 移動手段として、会社もしくは個人所有のプライベートジェットを使う
  • 話し合いは数回では終わらない場合が多く、何度となく話し合いが行われる
  • 可能性として考えられるのは:
    • 1つの場所(空港)に役員もしくは社長が何度も出向く
    • もしくは、2つの会社の役員・社長が同じ場所(空港)、近い時間帯に何度も行く

機械学習やデータ解析を用いて、飛行機のデータと会社のデータを付け合わせて、さらに異常な回数のフライトを検知すると言うのが妥当だと思います。出来れば噂が出る前に仕込む事が出来ればとてもいいリターンが帰ってくるでしょう。

このデータの会社のすごいところは、機械学習もそうですがデータのクリーニングと標準化、そして会社との付け合わせに多くの時間を使っているところだと思います。生のデータは多く存在するのですが、そのままだと使い物にならない事が多いのです。特に金融の場合は識別子が必要になるケースが多く、ISINやCusip、ティッカー番号など繋げれなければ金融機関のデータベースにフィットしないからです。

恐らくその付け合わせは、データの提供先などと提携して行なっているのでしょう。

実例

では彼らのウェブサイトから一例をご紹介します。本家の記事はこちらです。

記事は「AmazonとWhole Foodsの話し合いについて」です。アマゾンは2017年最初に食料品市場を拡大するとの報道が出ていました。そして、Whole Foodsとはアメリカのスーパーマーケットで、2017年06月にAmazonが137億ドル(約1兆4800億円)で買収したんですね。これは話題になり「ついにアマゾンが生鮮食品から日用品まで全て飲み込む日が来たか。。」と言う声が上がってました。で、記事はこれが起こる前の話し合いを予想していたと言うわけです。

フライトのデータを見ると、Whole Foodsのシアトル(アマゾンの本社)へのフライトは2016年06月01日から2017年06月16日に買収が完了するまでの間に1回のフライトしかありませんでした。この期間にJana PartnersがWhole Foodsに大きな出資をしていたみたいですね。なので、この二つのデータとアマゾンのニュース:

  • 2017年の最初の食料品市場への進出
  • Jana Partnersによる巨額出資
  • そして、Whole Foodsのシアトル(アマゾンの本社がある場所)へのフライトデータ

を掛け合わせる事で、より強い確証になったのではないでしょうか?オルタナティブデータがより多く活用される事で、様々なデータやニュースが多角的に分析され予想しやすくなれば新しい金融の形や企業評価に繋がってくるかもしれませんね。

-データ市場, 代替データ・オルタナティブデータ
-, , , , , , ,

Copyright© チキゾーブログ , 2020 All Rights Reserved.